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IZUMAI通信Vol.364 国債の相続税非課税議論

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IZUMAI通信Vol.364 国債の相続税非課税議論

自民党内で個人向け国債を相続税を非課税しようという案が挙がって議論が開始され始まっている噂があります。
この案の背景には、単に「相続税を軽くする」というよりも、国の資金調達(国債消化)を安定させたいという政策目的があります。
現在、自民党内で議論されている案では、個人向け国債について1人あたり300万~500万円程度を上限に相続税を非課税にすることが検討されています。まだ制度化されたものではなく、提言段階です。


背景には、大きく5つの理由があります。
① 国債の買い手を増やしたい
日本は毎年、多額の国債を発行して財政を運営しています。
これまでは日本銀行が大量に国債を購入してきましたが、金融政策の正常化に伴い、日銀の買入れは縮小方向です。そのため、民間の買い手を増やす必要性が高まっています。
② 個人金融資産は2,000兆円超ある
日本の家計金融資産は約2,300兆円ありますが、その多くは預貯金です。
一方、個人が保有する国債はごくわずかで、「眠っている預金の一部を国債に振り向けてもらいたい」という狙いがあります。
預金と言ってもタンスの中に隠しているお金もかなり多くあることは税務調査の結果でも明らかになっています。
③ 高齢者が買いやすくなる
高齢者は、
* 「自分が亡くなったら相続税がかかる」
* 「相続手続きが面倒」
という理由から長期商品を敬遠することがあります。
そこで、「相続税が300~500万円まで非課税になります」となれば、高齢者が安心して個人向け国債を購入するインセンティブになります。
④ 海外投資家への依存を減らしたい
国債を海外投資家が多く保有すると、
* 金利上昇
* 円安
* 海外情勢
の影響を受けやすくなります。
国内の個人が保有する割合を増やせば、国債市場の安定につながるという考え方があります。
⑤ NISAとの競争
近年は新NISAによって資金が株式や投資信託へ流れています。
一方で、国債には大きな税制優遇がありません。
そのため、
* 国民民主党は「国債をNISA対象に」
* 自民党では「相続税非課税に」
といった形で、国債を保有するメリットを増やそうという議論が出ています。
この案は、相続税対策というより財政政策の色彩が強いと考えられます。

もし300~500万円の非課税枠が実現すれば、高齢者にとっては「預金より国債を持った方が相続時に有利」という選択肢が生まれます。その結果、相続対策として個人向け国債を活用する人が増える可能性があります。

一方で、資産家の相続税対策としては300~500万円という枠は比較的小さいため、大口の相続税対策というより、幅広い個人に国債を保有してもらうためのインセンティブという位置付けと見るのが妥当でしょう。

現時点では提言段階であり、非課税額や対象者、実施時期などは今後の税制改正議論で決まる見込みです。

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